ワナルタ都市遺跡、二階層。
ここにも何度か足を運んだが、相変わらず敵の数が少ない。
グレインの奴が魔物を集め、使い魔のレベル上げをしているからだろう。
ここはワシらにとっても背伸び狩りなので、それは構わんのだが。中絶薬
「行くよ、ゼフっ!」
「あぁ」
ミリィがブルーゲイルを唱え、ワシがその発動に合わせタイムスクエアを念じブルーゲイルを二回唱える。
三重の竜巻がレイスマスターと取り巻きのミストレイスを捉え、一撃の元に葬り去った。
「しかしすごいですね、その技」
「なんかもう、二人だけでいいんじゃないかな……」
「そ……そんなことないってば!」
言葉とは裏腹にミリィは嬉しそうだ。
しかしミリィとの三重詠唱はまだ成功率が低く、十回やって一回成功するかどうかだ。
自分のタイミングで撃てる宝剣での三重詠唱と違い、見慣れているとはいえミリィとの三重詠唱はかなり難しい。
しかもミリィもまだ未熟で他の魔導のタイミングは安定しない為、ブルーゲイル以外の三重詠唱は無理だ。
とはいえブルーゲイルトリプルの威力は凄まじい。
感覚的にダブルの二倍以上の威力はありそうである。
ダブルだと四倍の威力だったがトリプルだと九倍になるのだろうか?
なら次は十六倍?その次は二十五倍?
恐ろしい話だが先ずはタイムスクエアのレベルを上げ、時間停止時間を伸ばすことだな。
現状では初等魔導のレッドボールすら三重詠唱することは出来ぬ。
考えながら歩いているとレディアの背にぶつかる。
「どうした、レディア?」
「また居るよ、あいつ」
レディアが指差す先を見ると、遠く離れた場所にグレインとその使い魔二人。
だが狩りはもう終わったのか、出会った時に使ったポータルとかいう魔導で青い光を生成し、その中に消えていった。
「帰ってしまったんですかね……?」
「そうみたいね、まぁいい事なんじゃない?」
グレインが溜め込んでいた魔物が散らばり、魔物の数が増えるのでペースが乱れるかもしれないが、まぁ大丈夫だろう。
無理そうなら帰ればいいだけの話だ。
「だが、入り口の付近で狩りをした方がいいかもしれないな。これから魔物が増えるだろうし、ミリィとの連携もまだ万全ではないし」
「そうですね、無理はやめておきましょう」
「え〜っ調子出てきたトコなのに〜っ」
「はいはい、帰りましょ〜ね、ミリィたん♪」
レディアがミリィを後ろから抱きかかえながら、その身体をふにふにと撫でると、ミリィが小さく悲鳴を漏らす。
「ひゃっ!ちょ……やめてよレディアぁ」
「ふふ〜ん、じゃあ言うことを聞く?」
「聞かないなんて言ってないでしょ!」
ミリィが身をよじりながらレディアの魔手から逃れようともがくが、レディアの腕は一度捕まるとタコのように絡まり、レディアの気が済むまで離さない。
「おじい、こわい……」
クロードの胸に隠れていたアインがヒョコと顔を出し、怪訝そうな目を向けると、レディアはそれに反応しピタリと動きを止める。
「あぁそうだ。アイン、お前も近づくとあぁなるぞ」
「わかった!」
「そ……そんなぁ〜私、コワクナイヨ〜?」
レディアの手が緩んだ隙に、ミリィもそこから逃げ出しアインはクロードの胸にまた潜り込む。
二兎追う者は一兎も得ずといったところか。
笑いを堪えながら入り口付近に向かうのであった。
道中、何度かレイスマスターに出会ったが、一体であれば問題はなく、二体でもそこまで苦戦を強いられることは無くなってきた。
ここで狩りをするようになりかなりの時間が経つ。
グロウスのおかげでレベルも上がり、慣れもあり、少々の事ではピンチになることも無くなってきた。
考えながら歩いていると、視界の端に青い光が生まれるのが見えた。
あれは……グレイン?
見ていると、グレインがポータルとかいう青い光からその長い身体を覗かせる。
使い魔二人も連れたままだ。
キョロキョロと周りを見渡し、またその光の中に消えていった。
「……しまった!すぐに帰るぞ!みんな!」
「どしたの?ゼフ」
「グレインは帰ったんじゃない!ボスを探して飛び回っていたんだ!」
二階層のボスは最上位ゆえ、復活時間のサイクルは半年から一年とかなり長い。
だから最初にいないことを確認し、安心していたのだが……迂闊だった。
「ミリィ、万が一ヤツに出会ったらすぐテレポートだ。魔法も物理も一撃でも喰らったら死ぬと思って行動しろ。レディアも、ミリィの事をよろしく頼んだぞ」RU486
そう言ってクロードの手を掴む。
ワシの声に驚いたのか、クロードは震えた手で握り返してきた。
少し汗ばんでいるな。
緊張が伝わってくるようだ。
クロード以外全員にセイフトプロテクションをかける。
気休めにしかならないだろうが、ないよりはマシだろう。
「いつも言っているが、二人とも万が一の時はワシらに構うな。こちらもそのつもりだ。無駄死には非効率的だからな」
「……」
無言になる三人。
って少し必要以上に脅かせ過ぎたか。
ワシも含め、最近緩んでいたから少し引き締めようと思ったのだけだが。
「なぁに、出会うかどうか分からんし、逃げに徹すればボスとて問題ないさ。テレポート封じの威圧は、発狂モードにならなければ使って来ることはない。バラけた場合、集合は入り口でな」
「わ…わかった!」
レディアを先頭に、早足で歩いていく。
ワナルタ二階層は結構入り組んでいる為、曲がり角などは結構ドキドキである。
曲がり角をレディアが覗き見て、OKのサインと同時に移動する。
なんとか一階層への大階段に通じる最後の直線に辿り着いた。
これで仮にボスに出会ってもテレポートで逃げられるだろう。
直線を注意深く進んで行くと、横から爆発が鳴り響く。
「ひゃあっ!?」
クロードがワシの腕に抱きついてきた。
レディアはミリィを抱え、壁まで飛び退く。
「び……びっくりしましたね」
「おそらくグレインがボスと戦いを始めたのだろう」
それならばむしろ安全である。
どちらにしろ、早く立ち去った方が安全なのは確かだが。
ちりんちりん。
音の方を振り向くと、そこにはレイスマスターがあらわれていた。
全く驚かせるなよ。
「ミリィ!」
「わかってるって♪」
ミリィがブルーゲイルを唱え、手のひらが光る瞬間を狙ってタイムスクエアを念じる。
(……少しタイミングが遅れたか!?)
微妙に同時発動のタイミングがズレてしまったが、構わずブルーゲイルを二回唱える。
別に同時でなくてもそれなりの威力はあるしな。
時間停止が解除され、竜巻が生まれる。
どうも失敗らしい。
ワシのダブルとミリィのシングルがレイスマスターを襲い、取り巻きのみを撃破する。
残ってしまったものはしょうがないので、クロードの手を離して戦闘に参加してもらう。
「あまり離れるなよ。クロード!レディアも!」
「はいっ!」
ワシも走りながらホワイトクラッシュを二回唱える。
レディアの一撃とほぼ同時にレイスマスターを光球が包み込んだ。
「ブルーゲイル!」
ミリィの魔導がレイスマスターを吹き飛ばした、次の瞬間。
轟音と共に横にあった壁が吹き飛び、パラパラと石畳に落ちてくる。
土煙を払い見えたのは大木の様な剛腕、それに似合わぬ小さな足。
真っ黒な巨体には真紅のラインが幾重にも走り、その表面には人の顔が蠢いているのがうっすらと見える。
ワナルタに住んでいた人々の思念の集合体であり、二階層のボス。
悪鬼、ダークレイスである。
「ゴオオオオオオオオオ!!」
ダークレイスはその丸い身体を更に膨らませ、天に向かって吠えた。
大気がビリビリと震え、皆は驚き身を竦ませた。
ぎょろり、とダークレイスの身体中の目がミリィを凝視し、魔導の光を放つ。
まずい!折悪しくミリィのブルーゲイルに突っ込んできたから、ミリィをターゲットに定めたのか!
ミリィはダークレイスの咆哮に足が竦んでいる。
あの状態ではとてもテレポートが使える様子ではない。
「ミリィ!逃げろーっ!」
ワシがテレポートを念じ、ミリィの横に立ち塞がった瞬間。
破壊の跡から飛び出した、二つの光がダークレイスを貫く。巨人倍増枸杞カプセル
光は螺旋を描きながらダークレイスを削り、ワシらの近くに着地した。
光が弱まり、その中からあらわれたのはグレインが連れていた使い魔である。
「おいおい、誰かと思えばクソガキ共じゃねぇか。ゼフっつったか?確か」
煙と共にあらわれたグレインが、ワシの方を見てニヤリと笑う。
奴らの出てきた壁の向こうは、ダークレイスと戦っていたのだろう、凄まじい破壊の跡が伺えた。
これはマズイな。
グレインとダークレイスの戦闘に巻き込まれてしまったのか。
「くく、お子ちゃま達はどっか引っ込んでた方がいいぜ?ここは今から戦場だからなぁ」
手にした片手剣をタクトのように振ると、赤髪と青髪の使い魔がグレインの傍に戻ってくる。
どうも以前よりレベルが上がっているようだ。
「レッド、ブルー。あいつらに構うことはねぇ。標的だけを狙え」
グレインの声に二人の使い魔は頷き、武器を構える。
グレインが何やら念じると、使い魔をまた先刻の光が纏った。
見たことのない魔導だな。
あれも派遣魔導師の固有魔導か。
今の内にミリィの肩を抱き、後ろにテレポートする。
「……?出口はあっちだよ?ゼフ」
「あちらに行きたいのは山々なのだがな」
ダークレイスの巨体が細い通路を塞いでおり、テレポートで抜けるのは困難だ。
下手をするととばっちりを喰らう恐れがある。
しかも来た道も奴らの攻撃で塞がれてしまっている。
この状況は非常にマズイ。
「遺憾だが、グレインが勝ってくれる事を祈るしかない。援護するぞミリィ」
「え~……」
ワシだって嫌だが負けられても困るだろう。
タイムスクエアを念じ、ホワイトスフィアとレッドスフィアを唱えた。
「ノヴァースフィア!」
ミリィもホワイトスフィアを唱え、白炎がダークレイスを焼く。
「おいおいしょぼい援護は必要ねーぜ?こいつらだけで十分だからなぁ」
そう言ってこちらを向き、ニヤリと笑うグレイン。
こっちもしたくてしてるワケではないわ。
しかし言うだけあって確かにグレインの使い魔は、強い。
ダークレイスの剛腕を難なく躱し、飛び散った破片に紛れてブルーと呼ばれた使い魔が両手剣を叩き下ろす。
めきり、とダークレイスの腕が不自然に曲がり、そこに浮かんだ人面瘡が低い呻き声を上げた。
もう片方の腕でブルーを迎撃しようとするが、レッドと呼ばれた使い魔がそこに槍を突き刺し動きを止めている。
中々いいコンビネーションだ。
グレインは手を出すつもりはないのか、片手剣を肩に担いだまま傍観している。
定期的に使い魔を魔導で強化しているだけのようだ。
傍観するグレインにダークレイスの攻撃の余波で飛び散った石弾が飛来する。
あわや直撃というところで、レッドがグレインの前に立ち塞がり、その全てを受け切った。
レッドは額から少し血を流しているが、ダメージはさほどないようだ。
グレインもそれを当然といった顔で見下ろし、顎をくいと突き出した。
とっとと行け、ということだろうか。
命令を受け、即座にダークレイスに飛びかかるレッド。VigRx
攻守共に使い魔に任せっきりか。
楽なものだな。
ダークレイス
レベル97
8598564/12596384
ダークレイスと対峙したのは初めてだが、やはり尋常ではない魔力値だ。
サニーレイヴンの約六十倍と言ったところか。
当然攻撃力も比にはならない。
あの使い魔とて、まともに一撃でも食らったらアウトだろう。
グレインもそれをわかっているのか、使い魔に攻撃がかするたび、セイフトプロテクションを掛け直している。
「す……すごいですね。あんな戦い方があるなんて……」
「やっぱり私も使い魔欲しいなぁ~」
そう言いながらミリィはダークレイスにホワイトスフィアを撃ち込んでいる。
ダメージはあまりないようだが、ダークレイスの経験値は凄まじい筈だ。
グレインがダークレイスを倒せばそのおこぼれとして大量の経験値を手に入れることが出来るだろう。
グレインのおこぼれと言うのは少々癪だが利用出来るものは利用させてもううか。
「がんばれーっ!」
「ひゃっ!?アインちゃんいきなり動かないで下さいよぉ〜」
アインがクロードの胸元からヒョコと顔を出し、同じ使い魔同士何か通じるものがあるのか、アインはグレインの使い魔を応援している。
呑気なものだな全く。
しかし結構安定した戦いぶりだ。
スカウトスコープで確認したが、グレインの使い魔は共にレベル90を超えている。
とはいえ、二人で相手出来るほどぬるい敵ではないはずだ。
グレインの強化魔導がそれ程強力だということか。
考えながらノヴァースフィアを唱えると、白炎がダークレイスを焼き、パリパリとその表皮が剥がれ落ち、黒い外殻から真紅の肉体が姿をあらわれていく。
そのまるでむき出しの臓器のような身体を何本もの血管が走り、どくんどくんと脈打っている。
不気味だ。これがダークレイスの発狂モードか。
「発狂モード!?」
「あぁ、ここからが問題だ。お手並み拝見と行こうか。クロードもレディアも、絶対ワシらから離れるなよ」
ダークレイスが吠え、威圧の魔導を展開してくる。
効果範囲はかなり広いな。
これでもうグレインはテレポートを使えない。
ワシらはぎりぎり使える距離だが、もうすこしダークレイスがこちらに来ればすぐに使用できなくなるだろう。
念の為ブルーウォールを念じ、ダークレイスとワシらの間に壁を生成する。
気休めにしかならんが、何もしないよりはマシだ。
「くっくっく、なんだぁ?ビビってんのか?ゼフ君よぉ?」
挑発してくるグレインを無視し、ダークレイスにノヴァースフィアを唱える。
グレインが舌打ちをしながら、レッドとブルーに強化魔導を掛け直すと同時に、ダークレイスは大きな口を開けた。
「しまっ……!?」
「ゴオオオオオオオオ!!」
ダークレイスが咆哮を上げると、使い魔の纏った魔導の光が薄くなっていく。
ワシの展開したブルーウォールも見る見るうちに消滅してしまった。
どうやら魔導を打ち消す咆哮のようである。
「ちぃっ!」
グレインが手を編み、魔導を練り上げようとするが間に合わない。
ダークレイスが振り下ろした腕を、使い魔たちは受け止めようと武器を構えるが、そのまま叩き潰されてしまう。三便宝
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